23:1[saga]
2019/01/03(木) 23:58:52.92 ID:HLw/mjUv0
『お父さんが亡くなって、確かに悲しいだろう。』
『だがそんな時こそ、お母さんや、妹の笑顔のために頑張れる男になれ。』
『いつでも誰かの笑顔のために頑張れるって、すごく素敵な事だと思わないか。』
誰かの笑顔…そう言われて哲也は姉が自殺する直前のことを思い出した。
あの頃、姉は何か思いつめていた。普段は優しい姉から笑顔は消えていた。
何故姉は笑顔を失ったのだろうか?その答えは今も謎のままだ。
だが五代の話を聞いてこうも思った。ひょっとしたら守れたのかもしれない。
もっと自分が姉に対して親身になっていれば姉の笑顔は守れたのではないか。
そう思うと後悔せずにはいられなかった。
「どうしてそんな話を…俺に…」
「ごめんね。お姉さんのことは哀しい。けどキミが笑顔を失うのは間違っていると思う。
俺は思うんだ。今は無理かもしれないけどいずれキミも誰かの笑顔を守る時が来る。
その時のためにキミ自身も笑顔でいてほしい。」
五代はとても優しい笑顔でそう言ってくれた。いつか誰かのために…
今の哲也にとってそんな相手はいない。それでも…
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