加群「鏡の向こうの」
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10:名無しNIPPER[sage]
2019/04/03(水) 21:16:22.23 ID:pOwoTKMWo

 その死を確認しても、彼の作業は終わらない。
 まだ最後の手順が残っている。

「……大丈夫だ。君は間違えたが、まだ戻れる」

 彼は今まで、その手で止めた心臓を再び蘇生するという行為に失敗したことはない。
 だからその一言は、彼女の生命に対するものではなく。
 同じ生命の研究者としてのものでもなく。

「君は私のように、なってくれるなよ」

 ただ踏み外した者としての、先駆者からの言葉だった。



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