【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
1- 20
4: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/06/14(金) 00:39:35.13 ID:DTY4fa360


【 春 : 陽だまりを避ける影 】


 芸能プロダクション「346プロ」は、新年度からますます回転率を上げていた。
 歌手、モデル、俳優……数多くのタレントやアーティストを輩出するこの事務所は、業界最大手との呼び声が高い。
 その実績は輝かしく、346の芸能人といえば知らぬ者はおらず、業界にこの者ありと言わしめる敏腕プロデューサーも数多い。

 まさに芸能界に君臨する、美しき城というわけだった。

 俺はさしずめ、そんなお城の片隅で働く、名もなき使用人の一人といったところか。


 雑務また雑務の毎日だった。
 山ほどの書類を抱えて走り回り、雪崩れ込む事務仕事をやっつけて、次から次へ企画をアシストする。

「おーい何モタモタやってんだ! 早くしろー!!」
「はい、ただいまぁ!」

 この会社はでかいだけあって自前で映像スタジオまで持っている。
 まさかADの真似事まですることになるとは思わなかった。
 人手不足では決してないのだが、「事務員」「アシスタント」って肩書きはこの業界ではほとんど何でも屋みたいな意味合いらしく、
 伝統的に多種多様な仕事をやらされるものらしい。どういう伝統だ。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
328Res/204.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice