【モバマスSS】工藤忍「本当に、悔しかったから」
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3: ◆3xQXQ8weeA
2019/08/25(日) 02:22:06.57 ID:SiWHWqXY0
――ありがとう!みんな!
壇上で靴とティアラを受け取った、未だ高校生のシンデレラガールは泣いていた。
最上と言えるほどの輝きを放ちながら、しかし風格なんて大仰な雰囲気ではなく。いつも通りの親しみやすくて明るくて、仲間からの祝福を嬉しそうに受け取る彼女がその目尻を光らせていた。
輝きはまるで星のよう。今、一番素晴らしいアイドルとしてファンに選ばれていた。
そしてその両隣。
呆れたように。しかしそれ以上に嬉しそうにしながら拍手を送るアイドルと、青ざめた顔でがちがちの拍手を行う新人が花束を抱えてその結果を祝福している。
そしてさらに脇では先程まで壇上で喋っていた子供たち――二人共アイドルだ――が同じく称賛の拍手を叩いていた。
かくして一人の物語が美しく花開き、これからを期待させる結果となったのだ。
俺もすばらしいアイドルだと思う。去年だってシンデレラガールになってもおかしくないアイドルの一人だったのだ。
周りを見ればその魅力を褒め称える人間ばかりだ。
だから、流れる涙だって喜びの涙だけだろう。
忍は涙が流れる前に出ていったのだから。
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