呆れメロス
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15:名無しNIPPER[saga]
2019/12/06(金) 23:48:27.41 ID:o9kFpOMF0

そしてセリヌンティウスも、メロスの魂胆を全てお見通しだった。

「セリヌンティウス」

しかしメロスは最後の望みにかけ、眼に涙を浮べて言った。

「私を殴れ。ちから一ぱいに頬を殴れ。私は、途中で一度だけ、ほんとマジ一度だけ、君を裏切る悪い夢を見た。君がもし私を殴ってくれなかったら、私は君と抱擁する資格さえ無いのだ。殴れ」

セリヌンティウスは、すべてを察した様子で「うん」とメッセを送ると、彼はメロスのベッドの下に隠れていたのか、姿を現した。

そして部屋一ぱいに鳴り響くほど音高くメロスを100回は殴った。メロスは途中「おま、お前なんでおるん!?」と発した。

セリヌンティウスは殴った後に優しく微笑み、

「メロス、既に君の住所とか本名はバレているんだよ。そして、私はこの三日の間、たった一度だけ、ちらと君を信じた。生まれて、はじめて君を信じた。 けどそれ以外は信じられなかった。だってお前ほんとクズだもん、せめて働けよ」

メロスは腕に唸りをつけてセリヌンティウスの頬を殴った。

「死ねよ。」二人同時に言い、ひしと殴り合い、メロスだけは泣きながらおいおい声を放っていた。

グルチャ群衆の中からも、歔欷のメッセが送られた。

なろう王ディオニスは、部屋に仕掛けられた監視カメラから二人の様を、まじまじと見つめていたが、やがて静かにボイスを収録し、顔をあからめて、こう送った。

「メロス、セリヌンティウスの職場には何も連絡してないよ。おまえは、なろう作家に負けたのだ。なろう批判とは、空虚な妄想だった。あとどうか、わしを許してくれまいか。実は君の部屋に監視カメラを仕掛けたんだが、それお前の母親に協力してもらったんだ。実は今、カメラに映ってる動画がyoutubeで生配信されてる」

どっと群衆の間に、歓声が起った。

「万歳、なろう王、万歳」

ひとりの刑事が、手錠を持ってメロスの部屋に入ってきた。佳き友は、気をきかせて教えてやった。

「メロス、君は、まっぱだかで妹のパンティーを顔に被ってるじゃないか。早くお縄につくがいい。生放送を見ている人達は、なろうを批判したいメロスの裸体が映っていることが、たまらなく滑稽でおかしいのだ」

勇者は、ひどく赤面し、言った。


「やれやれ、俺また、何かやっちゃいました?」


無事逮捕された。



終わり。


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