小日向美穂「グッバイ、ネヴァーランド」
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11: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 00:24:35.87 ID:nY0iWbpOO
「うー、寒い」

「今日は今年一番の寒さって言われてるしな。よくジョギングしたもんだ」

 スタジオから出た加蓮はさっきから寒い寒いと同じワードを繰り返している。寒いと言っても暖かくなるわけでも夏が来るわけでもないので手のひらサイズの幸せをお裾分けしてやる。

「へぇ、気が効くね」

「気配りができて当たり前の業界で揉まれたもんで」

 別に振らなくても大丈夫なのだけど加蓮は渡したカイロをシャカシャカと振っては揉み続けている。

「そうそう。先輩だけどようやく熱が下がったらしいから明後日には復帰できそうだって」

 もともと俺は加蓮の担当ではなく、先輩プロデューサーが面倒を見ている子だ。この業界で生き抜くためのノウハウは全て先輩から叩き込まれたもので、面倒見の良い性格というのもあって俺は親しくさせてもらっていた。自然と先輩の担当アイドルとも交流は増え、特にこの北条加蓮は俺が担当している美穂と同じユニットを組んだこともあるのでそれなりに仲が良い。

「私がいうのもなんだけど結構熱が長引いたね」

「無理を言わないの。今年のインフルはタチが悪いらしいし先輩の場合正直過労気味だったから余計ね。残されたみんなからしたら良い迷惑だったかもだけど、2週間くらい休めてよかったと思うよ?」



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