小日向美穂「グッバイ、ネヴァーランド」
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18: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 00:33:24.18 ID:nY0iWbpOO
「んん……」

 ザザーン、ザザーン。アラームの音が部屋に響く。最近のアラームはすごいんだな、波の音と一緒に潮の匂いすらしてくる。というか……。

「暑っ!?」

 めちゃくちゃに暑い!! 暖房が壊れたのか!? 寝苦しくなり思わず目が醒める。

「あ、あれ……?」

 だけどおかしい、俺はまだ夢の中にいるみたいだ。昨日部屋の中で寝たはずなのに、浜辺のど真ん中で寝てたなんて。あ、カモメが鳴いてる。

「なーんだ、夢か……」

 夢の中でも夢を見るなんてまるで美穂みたいだ。気を取り直して寝る……。

「んなわけあるかあああ!!」

 額に垂れる汗もこの冬に相応しくない暑さもカモメの水兵さんも潮の香りも波の音も全て現実だ。俺は寝ぼけてそのまま地球の裏側に来てしまったのか? そんなトンチキな事を寝ぼけ頭で考えてみるが周囲一帯を見渡しても海と砂浜。ご近所の皆様も居なくなってしまった。登校する子供達の元気な声も目に見える全てのモノに吠えるブルドックの鳴き声も何もかも重い砂に覆われ消えてしまったのか。

「あっ、いましたっ! プロデューサーさん!」

 何がどうなったのかさっぱりなまま頭を抱えていると遠くから俺も知っている声が届いてきた。

「悠貴!」

 ハワイで買ったアロハシャツを着て砂浜を走って来る彼女の姿は実に絵になる。MVの撮影かと思ったほどだ。



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