6:名無しNIPPER
2019/12/26(木) 10:33:45.63 ID:VTYFDl0eO
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僕とあいつが出会ったのはシンデレラプロダクションの入社式。たまたま近くにいて何となく話しかけてみたらこれが意気投合。
お互いプロデューサー志望で、上司には珍しがられたものだった。何でもプロデューサーっていうのは、労働基準法も泣いて逃げ出すほどのブラック職で、それが響いているのか、新卒で2人も入ってくるのは異例中の異例だそうだ。毎年適性を見て他部署から引き抜いて人数を維持しているらしいが、転職してしまう者も少なくないらしい。
そんなこんなで歳の近い先輩も少なく、唯一の同期と親交が深まるのは不思議なことじゃないだろう。
入社して数年経った頃、僕たちに転機が訪れる。彼女が現れたんだ。あいつのスカウトだった。自らを「シュガーハート」と名乗る26歳。年齢とキャラクターを加味すると少々リスクが大きい。
会社内でも意見が割れたらしい。みてくれはいい。意識も高い。ただ、イタい。
結局、全プロデューサーの多数決で採用の可否を決めることになった。僕は可に入れた。というのも、純粋に興味があったからだ。しっちゃかめっちゃかに暴れ回る26歳、他人事だとしたら面白そうじゃないか。全く他人事じゃないんだけど。
結果としては僅差で可が上回り採用が決まった。これで名実ともに「崖っぷちアイドル」になったわけだ。
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