8:名無しNIPPER
2019/12/26(木) 10:35:01.49 ID:VTYFDl0eO
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車を走らせること10数分、夕焼け空はすっかり暗くなってしまった。
「にしても、今日は晴れて良かったな。最近冬にしては珍しく雨続きだったから心配してたんだけど」
「そこは晴れ女のしゅがーはぁとがいるから♪」
「......この時間にそのテンションはキツい」
「うるさいぞ☆ あっ、すっごい綺麗な星! ねえ、見て見て♪」
「運転中だ。見れるかよ」
なんて言いながら赤信号で止まった隙に横目でチラリ。晴天に冬の寒さも相まっておよそ都会とは思えない星空が広がっている。
「あっ、今チラッと見た! ね? 綺麗でしょ?」
俺にはニコニコしながら言ってくるけれど、あいつの前でならどんな顔で綺麗と言うのだろう? もう少しロマンチックな感じになるのだろうか?
......よそう。あんまり気持ちのいい想像じゃ無さそうだ。
どんなに足掻いたって僕は彼女の友達でしかない。諦めるしかないし、高望みしてはいけないんだ。
でも。
でも、もしこの車にロケットが付いてたら、もしあのラストシーンのように天高く飛ぶことが出来たなら、あの星空へ連れ去りたい。
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