速水奏「人形の夢」
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19: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/01/24(金) 21:26:41.19 ID:W4W9+UtG0
「ごめんなさい、見てませんでした」

「謝ることはないわ」準備していた返答の返答をする。かな子が私に謝るようなことは、そう簡単にはないと思うし。

「どんな人形だったんですか?」

「西洋風で白い洋服を着ていて……」なんだか不気味だったわ、とは言わない。

「アンティークドールが並んだ部屋が、学園のどこかにあるそうですよ。そこから持って来たんでしょうか?」

「そんな部屋があるの?まぁ、この学園ならありそうね」古い物を残すのは得意だもの、ここは。古い物には憑くモノがある、なんていうのも古ぼけた考え方。ここにいると、少し考え方も古くなるのかしら。

「あの……奏さん?」

「かな子、何か変なことを聞こうとしてないかしら」かな子の言動一致なところは良いところ。気持ちが必ず伝わるタイプで羨ましい。

「奏さんって、雪乃先輩のこと尊敬してるんですか?」

「は……?」何がどうなったら、そんなことを聞かれるのかしら。かな子の前でしたくない反応を思わずしてしまうくらいに、突然すぎるわ。

「雪乃先輩と話している時は、嬉しそうじゃないですか?」

「そんなことはないと思うわ。もちろん、悪い人だとも思ってないけれど」これは嘘ではない、と思う。うん、そうよね。

「そうかなぁ……?」

「かな子の方が、私は好きよ」なんてね。そんなことないですよ、といいながら照れるかな子を、ちょっと意地悪してからかいながら、私達の部屋に戻った。



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