キョン「ほらよ」佐々木「ん? なんだい、この小包は?」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/11(火) 21:03:26.60 ID:IEJuNBz7O
「はん。聖ウァレンティヌス、ね……」

どうでもいいが、小馬鹿にしたように鼻で嘲笑うのは女子中学生の仕草としてどうかと思う。

「ああ、失敬。偉大なる聖人様を鼻で笑ったことは素直に謝罪しよう。仮に伝承通りならば彼は宗教弾圧下の古代ローマ帝国において、立派にその務めを果たしたと言える。しかしだね」

バレンタインデーをくだらないと言うわりには存外、その由来には詳しいらしく、饒舌に大昔の偉人を褒め称えたあとで、くつくつ喉の奥を鳴らしてから、上機嫌で続きを語る。

「肝心の聖人として列福するに至る奇跡とやらがあまりにお粗末が過ぎる。彼が成した奇跡はローマ皇帝に捕らえられた折、盲目の看守の目を見えるようにしてやっただけで、恋愛の成就とは程遠いものだった。そんな偉大なる聖ウァレンテヌスが恋人達の守護者とは、恐れ入る」

ケチをつけ終えて、再び、くつくつと笑った。
皮肉げにつりあがった口角が、無駄に格好良く様になっているが、こいつは女子中学生だ。

「佐々木、その辺にしとけ。口がひん曲がったまま元に戻らなくなっても知らないぞ」
「生憎、この口は生まれつきさ。心配御無用」

別に心配しているわけではないが困った奴だ。


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