【異種族レビュアーズ】デミア・デュオデクテット「モーツァルトより愛をこめて」
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4: ◆K1k1KYRick[saga]
2020/03/28(土) 13:08:33.04 ID:U4w5g7l00
久々にスプーンの重みを感じながら、スープを飲んでみる。

優しい旨味が一気に幸せを呼び込み、舌を綻ばせた。

不作法ながら食器に口を付けて一気にそれを飲み干した後、魚のムニエルをいただく。

ああ、これは幼少の頃によく食べた。漁村の出身だった吾輩には懐かしい味だった。

スパイスによる味付けも故郷のものだ。

海鮮のサラダを口に運んでいると長い事忘れていた味が舌の上で次々と蘇っていく。

久し振りに吾輩はまともな手料理を堪能した。

どうも彼女は吾輩の話から出身地を割り出し、更に思い出から好みまで分析して調理したらしい。

何と聡明な女性か! 彼女が妻であったなら離婚する男も居なくなるに違いない。

それから三日間、吾輩は彼女の講義を受け合間に美味しい手料理を食べて幸福の内に過ごした。

もうそれだけでもここに来た甲斐があったというものだ。


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