【異種族レビュアーズ】デミア・デュオデクテット「モーツァルトより愛をこめて」
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5: ◆K1k1KYRick[saga]
2020/03/28(土) 13:09:00.50 ID:U4w5g7l00
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「ねぇ、最後にイイコトしてみませんか?」

三日目、午前中の授業を受けた後の食事の席だった。

ここまで性的な干渉を全くしてこなかった彼女がいきなりこのような事を口にしてきたのだ。

元々授業が目当てであった吾輩は、既にこの店には満足していた。

だが彼女的にはやはりサキュバス店ならではの醍醐味も味わってほしいようだ。

「しかしだね、吾輩のつまらん子種なぞ何の研究材料にもならんよ」

オムレツを平らげた吾輩はフォークを宙でひらひらさせた。

デミア女史がサキュバス店を格安で開いている理由については

この三日間で何となく理解出来た。

デコイはあくまでデコイ、人間のように食べ物を消化は出来ない。

となると体内に入ったものはそのままか転移魔法でどこかしらに転送される訳だ。

つまり本体のデミア女史の下に転移先を指定した場合

無数の種族が徒に迸った個人情報を彼女は握る事になる。

彼女は労せずしてそれを秘密裏に調達し、多種族の全てを研究で知る事も可能という訳だ。

そしてノコギリ・焼きごて・鉄鎖を使う物騒な客がいたとしても

消えるのはデコイだけで本体にダメージはない。

しかも研究費用まで入るのだから、経営しない理由がないではないか。

まさに才色兼備たる彼女だからこそ出来る芸当という訳だ。

裏を返せば、吾輩のような地位も知名度も平々凡々な

地方都市の人間魔道士のものなど、ありふれていて研究対象にすらならないだろう。



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