もしもし、そこの加蓮さん。
1- 20
20:名無しNIPPER[saga]
2020/04/26(日) 22:24:16.57 ID:DTyxDqAB0

気まぐれで足を運んだに過ぎませんが、到着したのは上映開始時刻の十五分前。
なかなか良いタイミングじゃん、と少し気分を良くした加蓮は、
カフェで買ういつものアイスコーヒーをSサイズからMサイズに代えて、
ふかふかの青い椅子にぽんと腰掛けました。
まだ映画も始まってすらいないのに、思わず上機嫌な吐息まで漏れてしまいます。


映画は加蓮お気に入りの娯楽であり、またリラクゼーションでもありました。
読書も映画も空想への没入を楽しむという点では似通っていますが、
最大の違いは能動的であるか否か。

自身の指で頁を手繰り、何かあれば栞を挟む事も可能な読書。
椅子に座ればブザーと共に問答無用で流し込まれる映画。

ある意味で一方的とも言える体験が、加蓮はときどき無性に恋しくなってしまうのです。


映画は加蓮に自由を与えてくれました。
だって上映中は、自分が主人公になる必要も、ヒロインになる必要もありませんから。
それらはスクリーンに映る役者達が肩代わりしてくれますし、
自分はただただ、傍観者であればよいのです。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
307Res/234.17 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice