もしもし、そこの加蓮さん。
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26:名無しNIPPER[saga]
2020/04/26(日) 23:32:55.11 ID:DTyxDqAB0

何の根拠も無い決め付けに、
加蓮は自分でもびっくりしてしまうほど自然に、納得してしまうのでした。


彼女は主人公で、アタシはただの北条加蓮だから。
彼女の物語に、アタシが紛れ込んでもいい道理なんて無いんだ。


自分勝手なシナリオが、次々と積み上がってゆきます。

 「……帰ろ」

ようやく整ってきた息を確かめる、
ブロック塀を擦るようにして、加蓮はゆっくりと立ち上がりました。
微かに震えていた膝をぺちんと叩くと、
ちょうど傍を通りかかったビジネスマンが怪訝そうな視線を向けてきて、はっと目を逸らします。

肩の鞄を背負い直し、しばらく切っていた携帯電話の電源をオンにします。
友人から楽しげなカラオケ大会の写真が送られてきていました。


何か返信をしようと構えた指がそのまま固まってしまって、
加蓮は携帯電話をポケットにしまい込むのでした。


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