モードレッド「んじゃ、ちょっと席を外すぜ」獅子刧「うんこか?」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/21(日) 20:50:43.25 ID:CfbKDyMAO
世界は汚い。
世界は醜い。

たしかにそれはこの世の真理。

しかしそれは世界が見せる一面に過ぎない。

「なあ、マスター」
「なんだ、セイバー」

赤のセイバーは己のマスターに問うた。

「良き王とは何だろうな」
「さあ。俺は王に仕えたことがないからな」

良き王。
それはすなわち、善政を敷く王。
そんなことは実際に王に仕えていた円卓の騎士である彼女ならわかっている筈。しかし。

「……父上はさ」
「アーサー王がどうした?」
「善政を敷いたが、良き王ではなかった」
「ふうん? 俺は良き王だったと思うがね」

獅子刧はぬけぬけと心にもないことを言う。

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/21(日) 20:53:02.87 ID:CfbKDyMAO
「誰に聞いたって、アーサー・ペンドラゴンは良き王だったと口を揃えて言うだろうよ」
「善政を敷いたからな。んなことはわかってる。オレが言ってんのはもっと複雑で……」
「そんな複雑なことは誰も考えないだろう」

それは道理であると赤のセイバー、モードレッドは納得する。民草とはそういうものだ。
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/21(日) 20:55:44.61 ID:CfbKDyMAO
「率直に教えてくれ。マスターから見て、オレはちゃんと自分自身の足で立っているか?」
「ああ。お前さんはちゃんと立っているよ」

また心にもないことを、ぬけぬけと。
獅子刧は甘い男だ。親目線で接してくる。
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/21(日) 20:58:00.57 ID:CfbKDyMAO
「結局、オレは自立出来てないってことか」

モードレッドは叛逆の騎士。
彼女の謀叛によりアーサー王は死に至った。
それはある意味自立であるとも言えたが、彼女もまた、父の死と同時に命を落とした。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/21(日) 21:06:23.29 ID:CfbKDyMAO
「落ち着け。俺はお前さんを褒めてんだぞ」
「全然嬉しくねえ!! これっぽっちも!!」
「だが事実、お前さんの下乳とはみケツは素晴らしい。アーサー王にはないものだろう」
「アホか! 父上だってオレと同じ格好をすれば下乳はみケツし放題だっての!」
「はあ? アーサー王は男じゃないのか?」
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/21(日) 21:09:01.01 ID:CfbKDyMAO
「それなら勝機ありだ」
「……なんだと?」
「聞こえなかったか? 勝機ありだと言ったんだ。お前さんなら、アーサー王に勝てる」

脈略もなく確信に至ったらしき獅子刧を胡散臭そうに見つめながら、セイバーは尋ねる。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/21(日) 21:11:51.65 ID:CfbKDyMAO
「おい、マスター。いい加減にしとけよ?」
「あん? なにキレてんだ。冷静になれよ」
「これが冷静でいられるかっての!?」

いかにマスターとはいえ、さっきから下乳やらはみケツだのと卑猥なことばかり言われてキレないサーヴァントなど存在しない。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/21(日) 21:13:58.59 ID:CfbKDyMAO
「もういい! マスターなんか嫌いだ!!」
「……そうか」
「うっ……なんて顔してんだよ、マスター」

嫌いと告げると、あからさまに落ち込んだ獅子刧を見て、モードレッドはオロオロした。
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/21(日) 21:15:44.61 ID:CfbKDyMAO
「では、続きを話そう。心して聞け」
「へいへい。手短にな」
「そんな風に興味なさげにしてると、俺はまた面倒臭いおやじになるぞ?」
「わかったよ畜生め! 心して聞いてやる!」

以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/21(日) 21:19:36.09 ID:CfbKDyMAO
「オレに父上の偶像に甘じろと?」
「そうは言わない。お前さんはお前さんだ」

ギロリと睨めつけると、獅子刧はやはり白々しい言葉でモードレッドを宥めた。

以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/21(日) 21:22:27.69 ID:CfbKDyMAO
「それで、だ」
「勿体振んなよ、マスター」
「ああ、結論から言おう」

胸ぐらを掴まれながら、結論を告げる。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/21(日) 21:25:43.58 ID:CfbKDyMAO
「まあ、ひとまず俺の話を聞け、セイバー」
「まだなんかあるのかよ」

これで終わりとばかりに切って捨てたモードレッドであったが獅子刧は説得を諦めない。

以下略 AAS



13:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/21(日) 21:28:45.06 ID:CfbKDyMAO
「では、早速」

二礼二拍手一礼。
パンパンと柏手を打ち鳴らし、拝礼する。
そんな獅子刧に苦笑しつつ女神は仰った。
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/21(日) 21:31:10.79 ID:CfbKDyMAO
「こんな感じか?」
「んっ……ま、まあまあだな」
「よし。この調子で頑張る」
「よ、良きに計らへ……ひぅっ」

以下略 AAS



15:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/21(日) 21:33:55.42 ID:CfbKDyMAO
「悪い悪い。よもや生娘とは……」
「き、きき、生娘じゃねぇし!? ていうか、オレを女扱いすんじゃねぇ!!」
「じゃあ、童貞と言えばいいのか?」
「あ?」
「すまん。ほんとごめん。許してくれ」
以下略 AAS



16:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/21(日) 21:36:56.65 ID:CfbKDyMAO
「んじゃ、ちょっと席を外すぜ」
「うんこか?」

離席を告げるサーヴァントに何気なく尋ねる獅子刧。すると、彼女は静かに席に戻った。

以下略 AAS



17:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/21(日) 21:39:26.12 ID:CfbKDyMAO
「よーし、いい度胸だ。表に出な」
「トイレに行くのか?」
「ちげぇよ!? 決闘だッ!!」
「血だの糖だの出るのは感心しないな」
「血糖値なんかどうでもいいんだよ!?」
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/21(日) 21:41:40.88 ID:CfbKDyMAO
「言い訳はそれで終わりか?」
「なっ!?」
「ひとつ聞くが、セイバー。アーサー王は円卓で話し合っている最中に糞がしたくなって離席したことは一度でもあったのか?」
「そ、それは……」

以下略 AAS



19:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/21(日) 21:43:43.11 ID:CfbKDyMAO
「泣くな、セイバー」
「オ、オレは、泣いてなんか……ううっ」

ポタリと手の甲に雫が落ちる。
モードレッドの美しい瞳の潤み。
以下略 AAS



20:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/21(日) 21:46:01.42 ID:CfbKDyMAO
「セイバー」

大きな親指で涙を拭い獅子刧が王道を示す。

「お前さんは人間の王を目指せ」
以下略 AAS



21:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/21(日) 21:48:35.32 ID:CfbKDyMAO
「わかった! オレは、やってやる!!」

切実な獅子刧の嘆願に彼女は応えてくれた。

「今より、オレは王として、糞をする!」
以下略 AAS



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