キャプテン・アメリカ「モテない童貞くんの悩みを聞いてあげてください……?」
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13:名無しNIPPER
2020/08/07(金) 18:40:33.58 ID:Y0oQ9FMM0
「左から失礼」

おもむろに、キャップが鉄男の上体に手をかける。利き腕と逆の死角を突く、一瞬の動作。

そのまま身を捩り、するりと拘束を抜け出したキャップに鉄男は目を見張るが

次の瞬間には何が起きたかも理解できぬまま、今度は自分が下に組み伏されていた。

「このっ……!」

あっさり上下を逆転され、鉄男の瞳に脅えの色がにじむ。

そんな彼の表情は、キャップの内に宿るほんの僅かな嗜虐心をどうしようもなく掻き立てるのだった。

「なかなか良い線いってたが、やはりトレーニング不足だな」

キャップの指が、くいと鉄男の顎にかかる。

プレイボーイ風に生やした顎髭が、チクチクと痛痒く、指先に心地よい。

いけない。どうしてこの男を前にすると、僕はこんなにもイジワルになってしまうのだろう……

「よ、よせっ!」

耳まで赤くなった鉄男が、顎にかけられたキャップの手を乱暴に払う。

「うわあああああああああっ!!」

恐怖をかき消す為の叫び。

己自身を奮い立たせた鉄男は、もうなりふり構わなくなり、キャップに向かってがむしゃらに打ち付け始めた。

《いつでも20%の能力でスマートに》それが人生哲学とうそぶいていた男はどこへやら。

今の鉄男はただひたすらに必死で。懸命で。真っすぐで。全身全霊を持って激しくキャップを攻め立てている。

鉄男の瞳には、世界には、もはやキャップしか存在していない。

己の腕の中で精一杯の抗いを見せる鉄男を、いつしかキャップは兄のような、父のような慈愛の瞳で見つめていた──


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