キャプテン・アメリカ「モテない童貞くんの悩みを聞いてあげてください……?」
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18:名無しNIPPER
2020/08/07(金) 18:44:40.71 ID:Y0oQ9FMM0
盾を構えたキャップの体当たりに、バッキーの身体は宙を舞い、叩きつけられたマジックミラーが粉々に砕け散る。

表に放り出されながらも、バッキーは空中で体制を立て直し、軽やかに地面に着地する。

顔をあげるや否や、追撃せんと飛びかかってくるキャップの姿が目に留まった。

激しくぶつかり合う、バッキーの拳とキャップの盾。

幾度も衝突を繰り返す二つの硬質な塊は、不謹慎ながら周囲に小気味よい物音を響かせ始めた。

道行く人々が足を止め、何事だろうと怪訝な視線を向けても気にはならなかった。

彼らが戦いを通し二人の世界に浸り込むまで、さほどの時間を要さなかったからだ。

キャップが攻め立てればバッキーが受入れの体制を取り、バッキーの猛攻が始まれば、キャップは肢体をくねらせ、それらをいなす。

たった今対峙したばかりだというのに、彼らの戦いからは型の決まった演武のような調和が垣間見えた。

バッキーが拳を振り上げるたび、彼の豊かな長髪が揺れ、そこから漂うほのかな香りがキャップの鼻腔を切なくくすぐる。

それは、失われた遠い昔。少年の頃遊び場にしていた広大な農園で嗅いだ、夕焼けに照らされる麦の香り。

もちろん、その隣には彼の親友が居て──


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