7:名無しNIPPER[sage saga]
2021/03/14(日) 20:49:53.74 ID:UGFpCWbxO
「せ、責任と言われましても……」
「難しく考える必要はない。俺を娶れ」
娶る。妻にする。義勇さんが、俺の奥さん。
「義勇さんは、それで良いんですか?」
「ああ。異存はない」
なんだかすんなり話がまとまりそうで怖い。
「俺なんて、大したことないですよ?」
「炭治郎は優しい。だから好きだ」
好きなのか。お互い両思いなのか。そうか。
「わかりました。それなら責任を……」
「炭治郎! 待って! 早まらないで!!」
責任を取ろうとした俺の首根っこを掴んで立たせたのは蝶屋敷で暮らす栗花落カナヲだ。
その細腕に似つかわしくない腕力で俺と義勇さんを引き離し、華奢な背中に庇った。
「君はたしか胡蝶の……」
「しのぶ様の継子のカナヲです」
「そうか……君も炭治郎のことを」
突然の乱入に驚いた様子の義勇さんだったが、すぐに何やら納得して、要件を尋ねた。
「何の用だ?」
「しのぶ様の薬が完成したのでそれを富岡様に投与するように頼まれ、参りました」
「そうか。完成したのか」
「はい。なので炭治郎は取らないで下さい」
薬の完成を喜びたいのに、剣呑な雰囲気に圧されて何も言えない。どうしてこうなった。
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