冨岡義勇♀ 「炭治郎は優しい。だから好きだ」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2021/03/14(日) 20:53:21.88 ID:UGFpCWbxO
「カナヲとやら」
「はい」
「わざわざ薬を作って貰った手前申し訳ないが、もはやそれは不要だ。俺はこれから炭治郎の妻として、共に生きる覚悟を決めた」
「この蝶屋敷から出る時は、治るか死ぬかです。それ以外の選択肢はありません」

カナヲは変わった。はっきりと物を言うようになった。それにしても厳しすぎる掟だ。

「どうしても治療を拒まれるのでしたら、こちらも実力を行使させて頂きます」
「舐められたものだな。如何に力が落ちようとも、この冨岡義勇。たとえ名ばかりの水柱であってしても、侮って貰っては困る」
「戦いは……避けられませんか」

え? 戦うの? などと、口を挟む余地はなく。

「お覚悟!」
「来い」

機能回復訓練の時よりも速く動き、背後に回ろうとするカナヲを軽くあしらう義勇さん。
女になっても俺などより断然素早い身のこなしはやはり呼吸の精度によるものだろうか。
めげずに仕掛けるカナヲの手を払い、足を払い、その背中を踏みつけて、動きを封じた。

「どうした、この程度か?」

うつ伏せに胸を圧迫されて苦しげなカナヲはもはや為す術なしかに思われたが、彼女は諦めずに起死回生の一手を放った。

「やはり、お強い。しかし、慣れない身体で動いたから、着物が乱れてしまいましたね」
「ッ!?」

大きく肌けた義勇さんの胸元を指摘すると、咄嗟にそれを庇った。勝機はここしかない。


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