2:名無しNIPPER[sage saga]
2021/03/30(火) 22:09:04.62 ID:sYBNk+YYO
「君は生きている」
式波を勇気付けるように、こちらの認識と彼女の認識を一致させるように、自らにそう言い聞かせるように、幼児を諭すように、言葉を選んで、相手に伝える。
「俺たちは、君に生かされている」
式波やWILLEのみんなのおかげで、この第三村の生活は成り立っている。それは事実だ。
誰が何と言おうと、それだけは確かで、そもそもニアサーが無ければ俺と式波は距離を縮めることすら出来なかったわけで。だから。
だから、式波。君は、立派だ。君は、偉い。
「ケンケン、いつもの」
「はいはい」
だから俺はいつものようにアスカを褒める。
子供にするように、彼女の頭を撫でてやる。
目を細めて満足そうな式波を見て癒される。
俺はこのために生きているのだと実感する。
「寝たふりをして瞼を閉じるとね」
ぽつぽつと、式波が語る話に、耳を傾ける。
「14年前のことをよく思い出すのよ」
ぽつぽつと、雨が降り始め、雨音が響いた。
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