4:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:45:50.56 ID:S9RXO5Th0
「何よエミ。西住隊長はここにはいないわよ」
「いや今はエリカが隊長でしょ!!」
もちろん理解している。
実感は別として今の私は黒森峰の隊長だ。
今のはただエミの戯言に付き合いたくないから適当言っただけで。
そして今後も付き合う予定はないのでこのまま流そうと思っていたところ、
「エリカさん……」
小島の後ろから真っ青な顔をした小梅が現れた。
「……どうしたの?」
能天気かつマイペースなエミならともかくとして、小梅がこんなにも怯えた表情をしているのだ。
何かしら起きたのは間違いない。
私は椅子を動かし小梅へと向き直る。
「いや私と態度違い過ぎない?」
エミがなんか言っているが無視をする。
とりあえず小梅から話を聞くためにそっと着席を促す。
席に着いた小梅は何を言おうか迷っているようで、なかなかその口からは言葉が出てこない。
こういう時は下手に催促せず本人が言葉をハッキリと固めるまで待つのが得策だ。
私はじっと彼女の言葉を待つ。
やがて、小梅は震える唇をそっと開き。
「……私、幽霊を、見たんです」
同じぐらい震える声でそう言った。
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