【ガルパンSS】エリカ「彼女が望んだ忘れ物」
1- 20
9:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:49:09.28 ID:S9RXO5Th0
「え?」

視線の先、シャッターから入ってくるのは夕日のみ。

なのに、目の前には『何か』がいた。

真っ黒な人。そう表現するしかない姿。

濃淡の無いその姿(シルエット)には立体感はまるでなく、夕日を背にしているというのに『何か』の周りには影らしきものは何一つない。

一目でわかる『異常』。

この世のものでは無い何かが、そこにはいた。

「なに、これ」

自然と零れた声は、震えで出鱈目な発音になっていて、背筋がぞわりとする。

「うそ……ホントに……」

つま先の感覚が消えていく。

後ずさろうにも震える足は思うように動いてくれない。

私はただ、その黒い影を見つめる事しか出来なかった。

影は動かず、私は動けず、時が過ぎる。

数時間、いや数分、いいやきっと数秒だったのだろう。

恐怖と動揺で曖昧になった感覚の中、私はふとある事に気づいた。

「黒森峰のパンツァージャケット……?」

影が纏っているのは私の見慣れた服。

黒森峰のパンツァージャケットだった。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
33Res/35.62 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice