安価でSSを書かせて頂きます
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9:名無しNIPPER[saga]
2022/04/08(金) 18:08:20.30 ID:K7oSWg9M0
……ああ、現実とは、どうしてこんなにも理不尽なのだろう。
乗場戸がなんの躊躇もなく開け放たれた時、彼女はそんな弱みを言ちずにはいられなかった。
眼前には、よもや数えるのも馬鹿らしい無数のゾンビが蠢いている。
こちらのゾンビは、どうやら先ほどのようにみすみすと逃亡を看過してはくれないらしい。
今や無数のゾンビが歩みを止め、こちらを捉えていた。
古く忌々しい“狩人”の視線にうちすくめられ、蘭子の精神は限界に達するのだった。
生存本能は白旗を挙げ、誰にも制御されなくなった肉体は力を失い、尻餅をつき、豊かな奥処からは小便が漏れる。そして蘭子は確信するのだった。
今から私が迎える死にざまは、人間のものではないだろう。
あたかも野獣が非捕食者にするように、汚らしく食い散らかされるのだ。
彼らの血に染まった頬が示している。
あれは“食事”なのだ。
そして堰を切ったように殺到するゾンビの群れを前に、蘭子は目を瞑り__愛すべき友人たちの面影を前にして開かれる。
(桜蘭、明佳……!)
彼らも、ゾンビになっていたのだ。


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