【ミリマス】カーネーションを貴女に【EScape】
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1: ◆OtiAGlay2E[sage]
2022/05/09(月) 21:13:17.28 ID:erMeuLNjO
「こんにちは、キサラギチハヤ」

機械音声のような無機質な声が屋敷に響く。私はいつもと変わらず笑顔で彼女に答えた。

「初めまして、セリカ。これからよろしくね」

嗚呼、貴女とのこのやりとりはこれで何度目かしら。

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2: ◆OtiAGlay2E[sage]
2022/05/09(月) 21:16:14.75 ID:erMeuLNjO
☆★☆★☆★☆



「―?」
以下略 AAS



3: ◆OtiAGlay2E[sage]
2022/05/09(月) 21:16:48.73 ID:erMeuLNjO

「貴方とは既に何度も会っています。よって、この場において「はじめまして」というのは不適切です」

自身の記憶回路に保存されている情報から間違いを導き出し、彼女は私の不備を指摘してくる。

以下略 AAS



4: ◆OtiAGlay2E[sage]
2022/05/09(月) 21:17:28.76 ID:erMeuLNjO

「それで、貴女はどうしてここに来たの?私の監視?」

「はい。私はマザーの命に従い、貴女の監視と身の回りの世話を行います」

以下略 AAS



5: ◆OtiAGlay2E[sage]
2022/05/09(月) 21:18:00.12 ID:erMeuLNjO
☆★☆★☆★☆



「セリカ。こっちに来てくれないかしら」
以下略 AAS



6: ◆OtiAGlay2E[sage]
2022/05/09(月) 21:18:31.24 ID:erMeuLNjO
ってきたセリカにあるものを見せる。

「……この花は――」

「この花はね――」
以下略 AAS



7: ◆OtiAGlay2E[sage]
2022/05/09(月) 21:19:05.21 ID:erMeuLNjO

「じゃあ、セリカ。カーネーションの花言葉を知ってるかしら?」

「データベースを検索。カーネーションの花言葉は―」

以下略 AAS



8: ◆OtiAGlay2E[sage]
2022/05/09(月) 21:19:43.73 ID:erMeuLNjO

「愛情の意味を持つ花はほかにもいろいろあるのだけど、この花は特に感謝の気持ちや愛情を伝えたい相手に贈っていたそうよ……はい」

「――?」

以下略 AAS



9: ◆OtiAGlay2E[sage]
2022/05/09(月) 21:20:16.36 ID:erMeuLNjO

「いつかあなたも理解できるときがきっと来るわ。だから、その花はその時まで貴女がお世話してちょうだい。これは命令じゃなくてお願い」

「……わかりました。それでは残りの家事に戻ります」

以下略 AAS



10: ◆OtiAGlay2E[sage]
2022/05/09(月) 21:20:48.99 ID:erMeuLNjO
☆★☆★☆★☆★



「うん。今日のお茶もとっても美味しいわ。ありがとう、セリカ」
以下略 AAS



11: ◆OtiAGlay2E[sage]
2022/05/09(月) 21:21:23.39 ID:erMeuLNjO

「……?どうしたの?」

「貴女は以前、アンドロイドも感情の理解は可能だと。そういいましたね?」

以下略 AAS



12: ◆OtiAGlay2E[sage]
2022/05/09(月) 21:21:58.48 ID:erMeuLNjO

「その、言葉ではうまく表現が出来ないんです。なんというか、このあたりがポカポカと……こんなこと、初めてです」

セリカは胸のあたりを押さえながら戸惑い気味に答える。

以下略 AAS



13: ◆OtiAGlay2E[sage]
2022/05/09(月) 21:22:37.73 ID:erMeuLNjO

「キサラギチハヤ、貴女は以前、愛情の証としてあの花を私に渡しました」

そういってセリカはいまだに美しく咲き続けるカーネーションを指さす。

以下略 AAS



14: ◆OtiAGlay2E[sage]
2022/05/09(月) 21:23:09.95 ID:erMeuLNjO

「なにかしら?」

「私、貴女に……!!」

以下略 AAS



15: ◆OtiAGlay2E[sage]
2022/05/09(月) 21:23:43.96 ID:erMeuLNjO

『エモーションチェッカーの反応を確認。強制停止シーケンスに入ります』

「セリカ!しっかりして!セリカ!!」

以下略 AAS



16: ◆OtiAGlay2E[sage]
2022/05/09(月) 21:24:31.31 ID:erMeuLNjO

「キサ、ラ……、…ヤ」

彼女の声にノイズが混じり始めた。

以下略 AAS



17: ◆OtiAGlay2E[sage]
2022/05/09(月) 21:25:01.70 ID:erMeuLNjO

「……おやすみなさい、セリカ」

そっと彼女の瞼を閉じてあげる。きっと、そのうちサイバーポリス隊のアンドロイドが彼女のことを回収していくだろう。ソファに彼女を寝かせ、花瓶をもって自室に戻る。

以下略 AAS



18: ◆OtiAGlay2E[sage]
2022/05/09(月) 21:25:36.04 ID:erMeuLNjO

彼女はこの町の治安を維持する量産型アンドロイド、通称セリカ型。彼女たちはすべての個体で情報を共有している。万が一にも感情が芽生えると全ての個体に感情が芽生えかねないため、感情が芽生えた個体は即座に彼女たちのネットワークから除外され、機能停止、初期化される。今、そしてこれまでも、目の前で見てきたように。

「……ごめんなさい」

以下略 AAS



19: ◆OtiAGlay2E[sage]
2022/05/09(月) 21:26:21.31 ID:erMeuLNjO

「それでも。私は貴女に―」





20: ◆OtiAGlay2E[sage]
2022/05/09(月) 21:27:02.67 ID:erMeuLNjO
☆★☆★☆★☆★



「こんにちは。キサラギチハヤ」
以下略 AAS



21: ◆OtiAGlay2E[sage]
2022/05/09(月) 21:27:32.31 ID:erMeuLNjO

「はじめまして、セリカ。これからよろしくね」

今日も私は彼女と新しい日常を始める。


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