過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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8:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]
2010/03/20(土) 16:10:27.96 ID:2Z2/dwEo

 少女と同年代の高い声。

 右に転じた視線の先には、閉じた体育館の出入口ドアに背をつけた、セーラー服姿の女。

 オッドアイとともに現れ―――しかし戦闘には介入しようとしなかった者だ。

 青い月光に照らされ、後ろ手に手を組んでこちらを見つめている彼女の口元には、嘲りとしか見えない笑みが浮かんでいた。

 ぎっ、と歯を噛み締め、セーラー服に向き直る少女。あわせて、己が能力を発動。

 汗で頬に張り付いた髪が、電流にバチバチと鳴りはじめた。

「なに余裕こいてんのよ・・・次はあんたの番だからね」

「へぇ?」

 その言葉に、セーラー服がドアから背を離す。

「!」

 ゆらり、としたその動きに、少女は自分の体が強張るのを感じた。

 セーラー服の笑みが深くなる。

「ふふっ、そんなに警戒しないでほしいわ。はっきり言ってワタシじゃ勝負にもならないから。ワタシ自身は無能力だからね」

「・・・・・・」

 そんな、この都市では圧倒的な不利を意味する言葉を告げながらも、セーラー服は笑みも余裕も崩さない。


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