過去ログ - 律「Requiem et ReminiscenceⅡ～鎮魂と再生～」 -SS速報VIP

過去ログ - 律「Requiem et ReminiscenceⅡ～鎮魂と再生～」

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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/10(木) 05:20:33.15 ID:Yu/yljM90
～Prologue～

律（オマエは・・・誰だ

何故・・・なぜ私の思考を侵食する？

『私は・・・誰だ』

私が狂っているのか？

いや・・・この世界が狂っているんだ

人は何故、戦争を始めてしまったのか

『ワタシは・・・誰だ』

ワタシは・・・何の為に生まれてきたんだ

『ワタシは・・・誰ダ』

記憶のカケラが・・・ワタシに何かを叫んでいる

『ワタシは・・・ダレダ』

もし、この世に神が存在するのなら

教えてくれ・・・

JESUS…）

2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/10(木) 05:22:19.47 ID:Yu/yljM90
～Prologue2　Dr. Manabe’s Report～

あの戦争が私たちの全てを変えてしまった。

平和だった街の歴史は燃え尽き、人々は未来を見失った。

3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/10(木) 05:23:44.75 ID:Yu/yljM90
そんな戦争の中で起きてしまったあの忌まわしい事件。

隠蔽された悲劇を歴史の闇へと消さないため、

そしてかつて友だった彼女たちの生きた証を遺すため、ここに真実を綴る。

4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/10(木) 05:24:51.53 ID:Yu/yljM90
～第一章　RRプロジェクト～

私の名前は真鍋和。日本人だ。

ロボット機械工学を学ぶためドイツへと留学中、そのまま戦争へと巻き込まれ、

5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/10(木) 05:25:41.15 ID:Yu/yljM90
当初は“兵士の数を穴埋めする”という観点から、ロボット兵器の開発が進められたが、

戦場における実用性は乏しく、成功への道のりは遠かった。

その時、注目されたのが人体改造技術・バイオヒューマノイドだった。

6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/10(木) 05:26:22.38 ID:Yu/yljM90
生きた人間を兵器として改造する・・・

その非人道的な計画の犠牲となったのが、国を愛する多くの志願兵と、周辺国からの義勇兵、占領区域からの強制徴募だった。

彼女たちはその中にいた。

7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/10(木) 05:26:54.83 ID:Yu/yljM90
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澪「あのっ、真鍋さんと平沢さん・・・だよね？」

和「ええ、そうだけど・・・あなたは？」

8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/10(木) 05:27:28.16 ID:Yu/yljM90
彼女達はドイツ生まれの日系人で、その容姿はドイツ人というより、私たちと同じく東洋人にみえることが多かった。

彼女達はその容姿と特殊な生い立ちからか、常に集まって行動しており、私たちも孤独感からか、それとも祖国を思う気持ちからか、日本語が話せる彼女たちを気にするようになっていた。

そして、私の幼馴染である唯は彼女たちが立ち上げた軽音楽サークルに参加し、私と憂も次第に彼女達と話をするようになり、気が付けば仲良くなっていた。

9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/10(木) 05:28:35.56 ID:Yu/yljM90
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和「本当に行くの？」

律「ああ・・・ごめんな」

10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/10(木) 05:29:36.93 ID:Yu/yljM90
唯「和ちゃん。憂をよろしくね」

和「うんっ・・・わかった。絶対生きて帰ってきてよ」

唯「当然だよ」ﾌﾝｽ

11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/10(木) 05:31:26.54 ID:Yu/yljM90
当初、第三帝国ドイツ、イタリアを中心とした枢軸国軍が優勢に進めていた戦争も、

北アフリカ戦線での敗北を機に連合国軍優勢へと流れは動いていった。

連合国軍は、中長期に渡る戦略で

12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/10(木) 05:31:55.72 ID:Yu/yljM90
彼女たちのこの国における立場がそうさせたのかも知れない。

仕事のこと、生活のこと、街の人々の自分たちに対する見方、考え方、付き合い方・・・

彼女たちはドイツにおいてかなり辛い立場に置かれることも少なくなかった。

13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/10(木) 05:32:43.28 ID:Yu/yljM90
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彼女たちが軍へ入隊してから数か月後、私は・・・私たちは、ある知らせを受けた。

それは、最も恐れていた最悪の事態。

14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/10(木) 05:33:39.73 ID:Yu/yljM90
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和「お久しぶりです、山中博士」

RRプロジェクトの研究を進めていたのが、山中博士が主催する企業傘下の科学医療機関であった。

15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/10(木) 05:34:56.95 ID:Yu/yljM90
さわ子「話が早くて助かるわ」

さわ子「あなたを呼んだのは生きた人体から創り出されるサイボーグ兵器、

『強襲用ヒト型兵器貳式（ツヴァイ）』の大量生産の準備としてなんだけど・・・

16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/10(木) 05:35:32.84 ID:Yu/yljM90
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RRプロジェクトに参加してから数週間が過ぎた頃、
私は山中博士の頼みでプロトに関する資料を整理していた時、写真でその顔を初めて見た。

17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/10(木) 05:36:14.19 ID:Yu/yljM90
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ツヴァイの初期型として生み出された【プロト】の失踪。

RRプロジェクト関係者以外にこの情報は伏せられ、証拠も隠蔽されていた。

18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/10(木) 05:36:40.89 ID:Yu/yljM90
事の重大さは、当時の山中博士の口調からも伺えた。

温厚だった博士が、怯えながらも狂気に満ち溢れていた。

そして、恐怖に狂ったその目で、彼女はこう言った。

19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/10(木) 05:37:29.36 ID:Yu/yljM90
和「っ・・・！？」

和（まさか憂を・・・！）

それだけは阻止しなければ。

20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/10(木) 05:38:10.25 ID:Yu/yljM90
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私の一言が招いた事とはいえ、驚いたのは山中博士の行動の早さだった。

博士には人としての迷いや葛藤はなかった。

21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/10(木) 05:38:51.28 ID:Yu/yljM90
彼女達の活躍は目覚ましいものだった。

ツヴァイの量産後、戦局はみるみるドイツ優勢へと変わっていった。

彼女たちは一個小隊で一個大隊級の働きを示し、そのことごとくを一片の慈悲もなく、地獄へと誘った。

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