過去ログ - 美琴「私が一万人以上殺した、殺人者でも?」
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[saga sage]
2011/03/26(土) 14:31:05.07 ID:X5AOPpqso
「そんなの、貴方が逃げるからに決まってるんだよ。いい加減白黒付けさせて欲しいかも!」
「白黒も何も……俺に勝てる要素なんか欠片も無いのに何を言ってるんだか。お前は百年に一度の天才且つ魔神候補生で、俺は未だに術の一つも満足に覚えてないただのオチこぼれの見習い魔術師なんだぞ?」
「オチこぼれ、ねえ……」
少女は如何にも自分は不機嫌ですよー、とでも言うかのように眉間にしわを寄せ、右手人差し指に嵌めた指輪を左手でなぞった。
「……ねえ、ゲーティア、って知ってる?」
「は?」
夏場なのに、周りの空気が2〜3度下がったような感覚に、鳥肌が立つ。
少女の全身を包み込むように燐光が浮かび上がり、伸ばした指に嵌められた指輪が熱を持ったように赤く染まり始める。
「別名『悪霊の書』。ゴエティア、と言った方が正確なんだけど、日本人の貴方にはそっちの方が馴染みがあるかなって思ったんだよ。でも知らないなら使う必要も無かったかも」
「そ、そのゴエ、だかゲーだかがどうしたんだよ?」
「魔術書『レメゲトン』の第一書を指すんだけど、主にソロモン王が使役したとされる72柱の悪魔の召還法を記した禁書なんだよ。この指輪はその書の中に記述のある召還用護符の属性を付与したものなんだけど」
言って、少女は右手人差し指にある指輪を掲げ、呪を紡いだ。
「我が呼びかけに応えよ悪魔! 30の軍団の長、地獄の大いなる侯爵、マルコシアスよ!」
次の瞬間、少女の目の前の地面に円に囲まれた五芒星が浮かび上がり、光と共に翼を持った巨大な狼が現れた。
「……マジですか」
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