過去ログ - 垣根「しょたなおれとー」麦野「お姉さん」
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もしこの酉を見た人が居たら
◆H0UG3c6kjA
2011/09/11(日) 23:33:24.56 ID:zgjsJQJU0
もうすぐクリスマス、『仕事』も今はもう無く、やる事もなく、只今日の晩御飯(鮭弁)と夜食(鮭とば)を買いに出た帰り。
ふと目に入った公園に入ると、何やら目立つ段ボールが置いてあった。
麦野(…捨て猫?)
その割には寂しそうな鳴き声だとか、そういったものは聞こえてこない。
こんな寒い真冬、おまけに雪まで降ってきた…こんな気温じゃ、もう死んでしまったのかもしれない。
可哀相に、なんて珍しい感情が胸に込み上げてくるのを感じながら段ボールを覗き込むと、そこには、行方生死共に不明だったはずの、小さな第二位がうずくまっていた。
麦野(…冗談にしちゃ悪趣味過ぎだっての)
他人のそら似にしてはあまりにもそっくり過ぎる。
少し考えて、浮かんだ答えは三つ程。
・第二位本人
・第二位のクローン(調整不完全?)
・第二位の隠し子
この中で一番可能性が高いのは三番目。
見た目からしてこの子供は五歳位。
…あいつの亡くなった時の年齢から逆算すると、13か12の時の子供…有り得なくはない、昔からモテていたらしいから。特に年上に。
二番目も確かに有り得るけど、それならこんなあからさまに『拾って』アピールなんてするはずがない…何かの実験という可能性も有り得るけど。
もしも三番目なのだとしたら、この子を拾ってあげたいと思った。
予想するに、父親たる垣根は居ないし、母親は…誰かは予想もつかないけど、何らかの事情で捨てたのだろう。
母親は学生なのかもしれない。
――私は、麦野沈利は、垣根帝督という男が、好きだった。
ううん、今でも、今だって好きでいる。
どうして好きになったのかはわからない、けど、思い当たる理由があるとするならば、私を初めて負かした男だからかもしれない。
我ながら何て軽い理由だ、馬鹿な阿婆擦れのようだと自分を罵倒する。
でも、人を好きになる理由なんて微々たるものであることが多いと思う。
それでも、好きで。
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