過去ログ - 上条「なぁ。教えてくれよ。名前」一方「……忘れたっつってンだろ」
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16:1[sage saga]
2011/10/12(水) 22:02:41.49 ID:cvck9Pzu0

あの事件は報道こそされていないが、研究者の間じゃすでに有名だ。
タイミングを考えれば「始末におえない検体」がそれの「犯人」である可能性が高い、とすぐに予想がつく。

「迫撃砲も効かねぇんだったか。熱や衝撃に干渉できる能力か?」

「………」

白衣のポケットに手を突っ込んだまま子供を見下ろすが、小作りな顔は人形のように動かない。

「あーあー面倒くせぇなぁ。このパターンかよ…」

「………」

溜息をついて、ガリガリと頭を掻く。

木原は能力者を実験動物としか思っていないが、それは研究員として割と一般的な感覚だ。

感受性豊かな子供は人間としての尊厳を無視された扱いを受けると、時折このように心を閉ざしてしまう。

こんな年齢の子供がこの有様とは、一体どんな扱いをしたのかと感心する。

ただ、こうなると実験一つ行うにも苦労をするので、軽く舌打ちをした。

「まぁいいわ。とりあえずレベルの測定すんぞ」

腕を掴もうと手を伸ばすと、触れる直前でパチンと何かに弾かれた。

「へぇ……」

「………」

予想はしていたが、少し興味深げに目を細める。

見上げる赤茶色の大きな目。鉄錆のような色だと木原は思った。

唐突に、右隣に立っていた暗部の襟首を掴み、子供に向かって投げ飛ばす。

「はっ…!?が、ぐはッ!!」



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