過去ログ - 上条「なぁ。教えてくれよ。名前」一方「……忘れたっつってンだろ」
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17:1[sage saga]
2011/10/12(水) 22:03:23.67 ID:cvck9Pzu0

暗部の男は、子供にぶつかる寸前で、勢いよく、かつ正確に跳ね返ってきた。
予想はしていたので半歩身をずらせば、そのまま壁に激突して崩れ落ちる。

助手が悲鳴をあげ、他の暗部が慌てて駆け寄るが、木原は振り返りもしない。

「ほぉ〜、バリア…つーより、反射か?跳ね返る勢いがぶつかる力に比例してるみてぇだしなぁ」

砲撃を受けても、ということだったので、物理的な衝撃だけでなく熱や風も反射しているのだろう。

というところまで考えて、もしや紫外線も反射しているのかと思いつく。だからこの頭、目の色。
光の届かぬ洞窟内で生きる魚が真っ白いように、用を成さない色素が抜けているのだ。

異なるモノを同時に反射。確実に、複数の演算を並行して処理している。

初めて見るタイプの能力だ。

木原の中に、ゾワゾワと好奇心が湧き上がって来た。

「……いいねいいねぇ、最ッ高だねぇ!面白ぇ、気に入ったよお前!」

木原は、普通の子供なら逃げ出しそうな、悪辣な顔で笑った。

見下ろす白い子供の目が、微かに見開かれる。

「き、木原さん、本気ですか!?こんな触れもしないんじゃ、実験も何も…!!」

助手が及び腰で悲鳴を上げるのに、短い溜息で応じる。

「なぁにビビってんだよ、こんなガキに」

時々いるのだ、こういう研究者の風上にも置けないのが。

能力のことばかりに気を取られ、相手が十歳にも満たない子供だということを完全に忘れている。

だいたい、実験動物を怖がっていたら研究なんてできないだろう。死ねばいいのに。

「おい、クソガキ。これを見ろ」

白い子供の鼻先に、胸元から出したペンを近づける。



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