過去ログ - 上条「なぁ。教えてくれよ。名前」一方「……忘れたっつってンだろ」
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20:1[sage saga]
2011/10/12(水) 22:05:48.69 ID:cvck9Pzu0

「はい黙ります!」

この上なく本気であることが伝わったのか、助手は硬直して圧し黙った。

これぞ以心伝心だな、すばらしい。と木原は測定室の中の子供に目をやる。

『……ん…』

微かな呻き声を、優秀な集音マイクが拾った。

赤茶色の目がゆっくり開き、子供らしくもない落ち着いた動作で周囲を見渡す。

特殊素材で囲まれた小部屋の真ん中に座らされていることを確認し。

次に様々な色のコードが繋がれたヘルメットを見上げ、最後に分厚いガラス越しにこちらを見据えた。

「起きたか、ガキ。能力測定だ。さっさと始めろ」

「ちょ、ちょっと木原さん!いきなり言われてもわからないんじゃないですか?」

助手が咎めるような口調で上司を見る。

さっきはあんなにビビっていたクセに、もう情が移ったのか。
それとも「ただのガキ」という木原の言い分を本当に間に受けたのか。
これだから人間の感情は理解できない、と木原は眉を上げた。

「そんぐらいわかるだろ。『置き去り』のガキだ。
今までもその辺の研究所に収容されてたみてぇだしな」

「え…?で、でも、それならどうして急にあんな騒ぎが…。
研究所にいたんなら、そこで能力の把握くらいできてたんじゃ」

「『こうしたらどうなるかな』ってある日突然思いついたんだろ。
カエルのケツにストロー突っ込んで空気入れたらどうなるんだろう、みたいなもんだ」

「そ、そんな子供のイタズラじゃないんですから…」



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