9:第一話 『新鮮緑豆もやし200g 前編』[sage saga]
2011/12/04(日) 03:08:38.17 ID:AzEYozbn0
以前もお見舞いという形で部屋に入った事はあったが、今回はプライベートでいける。
白粉という名のクリーチャーは行く前に沈めてしまおう。それなら大丈夫だ何も問題ない。
将棋、囲碁、チェス、ポーカー、ブラックジャック、神経衰弱。
すべて苦手だし、どうせ全敗だろう。だがそれがいい。僕は先輩が微笑む顔が見れればそれで構わない。
あの笑みを見るだけで、清々しい気持ちになれるのだから。
夕飯はサバの味噌煮を買って二人で交換し合って食べるのもいいかもしれない。
そして夜中……先輩はベッドの上で僕の肩にもたれ掛かり、甘い吐息交じりに僕の耳元で愛の言葉を囁き。
愛し合う二人はベッドの上で永遠の愛を誓い、心身ともに一つに――!
「って予定だったのに、なぜ僕は著莪の部屋のベッドに居るんだろうな」
「おーい、佐藤。愚痴愚痴言ってないで。弁当食べてゲームしよう」
そう言って、癖のある長い金髪を揺らしながら、著莪はスーパーの袋から弁当を取り出し電子レンジに入れた。
まあ、そんな甘い幻想をぶち殺すが如く、白梅梅による女性陣のみのお泊り会が開かれ、案の定僕は蚊帳の外である。
今頃、白梅は先輩や白粉と色々楽しんでいる頃だろう。ああ、もし幽体離脱が出来れば先輩の様子を見に行けるというのに!
尚、著莪は白梅から逃げるために、僕と一緒に里帰りするという、苦しい言い訳でお泊り会を回避したらしい。
言い訳をするなとは言わないが、なぜ僕を道連れにしたのか。
まあ、寮に居場所が無い僕にとってはある意味、渡りに船だったのだけど。
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