過去ログ - とある神父と禁書目録
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14:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/25(日) 22:47:06.17 ID:21JsyUv70


稜線に消えゆく男の唇が最後にかすかに震えた。
紡がれたのは実の娘にではなく、彼女を両の腕に閉じこめた、神父服の青年に宛てた
言の葉だった。


「すまないが、君。私の娘をよろしく頼む」

「――――――――――ぁ」


ローラはこの時ようやく悟った。
どうしてローラ=ザザはローラ=スチュアートになったのか。
どうして実の親から貰った、『ローラ』という名前だけは捨てられなかったのか。

宣戦布告だと、自分ではそう思っていた。
私は貴様の大嫌いな十字教のトップに君臨して、いつの日か科学を喰らい尽してやるぞ、
という声なき宣言のつもりだった。


「ふむ。貴方に言われるまでもないことだ、アレイスター=クロウリー」


違った。
もっと単純なことだった。



「―――――――お、おと、」



夢に見るほど憎んでも、肉親であるという事実だけは断ち切れなかった。
血の繋がりはローラが思うほど薄くはなかった。
きっと、ただそれだけのことだった。




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