過去ログ - 氷菓に不満があったのでSSを作ってみた。
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3:その3
2012/05/24(木) 19:34:31.43 ID:KdslAUbA0
「カウンターに誰もないの?」
「あ、ヤバイ。司書の糸魚川先生が戻ってきた」
「司書?それなら、古典部の文集の在処を知っていそうだな」
「それを探していたの?じゃあ、聞いてみましょうよ」

 書庫を出て、みんなでカウンターに戻り、先生に聞いた。
「ああ、文集の"氷菓"ね。たぶん、理科準備室の薬品金庫にしまってあるんじゃないかしら」
「なんでそんなところにあるんですか?」

 司書の先生が何でそこまで知ってるんだ?文集に関わりがあるのかな。

「部室を移動するときにそのままになってる気がするのよ。無かったら、また聞きに来てちょうだい」
「はい、どうもありがとうございます」

 俺たちは、あっさり在処が判ったので、理科準備室に向かった。なぜか理科準備室を私物化している
先輩の妙な抵抗にあったが、無事、氷菓のバックナンバーを手に入れたので古典部の部室に戻った。

「というわけで、えるの気になっているモノをゲットできたんだが、どうする?」
「まず、わたしがどれを読んでショックを受けたか判らないとだめですよね…あ、2号からしかない」
「1号がないのはナゼなのかしら。普通、第1号って大事にされるわよね」
「だよなあ。ホータローは、どう考える?」

「誰かが大事に持ってるんだろうな。とりあえず、えるが最初に読んでもらって、順次、俺たちが読
めば効率が良さそうだな」

「あっ!この兎と犬の表紙、これです!2号だったんですね」

 ズッコケる思いだ。それにしても兎と犬がお互いの身体を咬み合うという絵柄は穏やかだが、何かの
争いごとがあったのを表してるんだろう。

「あ、そうそう、これに関連するかもしれないけど、学校史が毎週借り出されてるのよ。1回2週間
借りられるのに」

 図書委員の摩耶花が疑問を挟む。貸し出しカードの履歴を見ていると特に意図があるように思えない。

「要するに1号を持っている先生が、この学校に何があったかを生徒に教える授業でもしてるんじゃな
いか?」
「そういう風に考えると辻褄が合うな。ホータローの発想だけはいいと思う。司書の先生って糸魚川
養子ってフルネームじゃなかったっけ?」
「確かそうだけど、それがどうしたのよ、里志」

「ああ、そうか。この2号の執筆者の郡山養子って名前と糸魚川養子って近いよな?そして、さっき、
あっさりこの文集の場所を教えてくれたんだから、間違いなく関係があると思う」

 俺は、里志のアシストで腑に落ちる説明を思いついた。

「すごいです!、奉太郎さん、里志さん。早速、糸魚川先生に聞きに行きましょう」

 というわけで、俺たちは、また図書室に引き返した。



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