過去ログ - 氷菓に不満があったのでSSを作ってみた。
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/05/24(木) 23:03:17.54 ID:KdslAUbA0
あまり短いのも何なので、「愚者のエンドロールを弄ってみた」を追加します。
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 インターネットの何処かで、こんな会話があった。
"ちゃんと入れたようね。こんなことを頼むのは心苦しいけど、表に出られないから"
"鍵付きなんて、ドキドキします。事情はだいたい伺ってます。わたし、知りたいんです、その結末を"
"あいつらが暴走しなければ、すんなり解決したのに。大事なポイントは覚えてるよね?"
"はい。あの人なら、きっと何とかしてくれるはずです"
"じゃあ、よろしくね。期待してるから。後でバレないよう、発言を削除しておいて"
"フォロワーから漏れたら台無しですものね。がんばります"

 えるの悩みを解決した後、部室で古典部の文集にはちょうどいい題材だったのでそれを元に編集して
いたところに遅れてきたえるが、
「あ、みなさん居ますね。ちょっと大事なことがあるので来てください」
「何だ、える。また、何かあったのか?」
「ええ、そうなんです。みなさんの力が必要です」
 こういう時のえるに逆らえないのでそれぞれ、ため息をつきつつ、全員でえるの後に付いていった。

「ここです、視聴覚室。失礼します」
 コンコンとノックをして、えるが視聴覚室のドアを開いた。
「2年F組の入須 冬実だ。済まない、呼び出したりして。とりあえず、そこのイスに座ってくれ」
 少し吊り気味な涼しげな目元の冷厳そうな雰囲気の人だ。訳がわからないまま、俺たちはイスに座った。
「実は、文化祭の出し物として、ミステリー風の映画を撮っていたんだが、不測の事態が生じて、肝心の
ところで頓挫してしまったんだ。まずは、このビデオを見て欲しい」
 HDDレコーダーにセットされたディスクを再生し始めた。

 劇中の生徒たちは、文化祭の出し物のために鉱山の廃村に向かい、そこを題材に映画を撮るらしい。
 いい具合に枯れている廃村は、魅力的な風景だが、廃墟マニアでない限り、地味すぎた。
 そこにくたびれた劇場を発見する、が、もう夕方となり、帰りのバスもないということで、この中で
夜露をしのごうということになる。ホール内はあちこちに資材が積みっぱなしになっていたりして、落ち
着けるようなとこがないから、探索するうちに事務室からキーボックスを発見したので、手分けして部屋
を探すことにしたようだ。薄暗い劇場内は、不気味で誰かがドアを開ける音にも怖気が走る。

 そして、ホールの方で絶叫が上がり、大きな物音がしたのでびっくりして、ホールの扉を開けると、
腕がもげて無残な姿になったガタイの良い海藤君を発見する。
 ふと見ると右手の奥が光っていて、誰か扉を開けて、出て行ったようだ。

 といったような、大変、中途半端なところでビデオは終わっていた。
「こんな具合で、ここから解決編になるらしいのだが、脚本担当は、体調不良となって現在、音信不通なんだ。
千反田さんによると君らは、何ともよくわからない彼女の悩みを見事、解決したというではないか。誠に申し
訳ないが、責任者として、この状態で展示するわけに行かないので、助けて欲しい」

 まるで女王様のような人が真摯に頼んでくると頼みを受けざるを得ないような気にさせられるが、
「千反田の悩みは、偶然解けた物で正直、このビデオを見る限り、その…、」
「待ってください!奉太郎さん。わたし、気になるんです。ここまで脚本を書いた人が、何故、止めてしまった
のか。だから、相談を受けてしまったのです」
 また、えるの悪い病気のせいだったんだな。

「一応、参考になる資料も用意した。現場までの地図も作成しておいたから、見に行くことも出来るだろう。
どうだろうか?」

 俺を見つめる、えるの瞳の輝きがまばゆいばかりだ。そして、里志も摩耶花もなんで俺を見るんだ?これは、
はめられたと言うこと、何だろうな。はぁ。

「何の役にも立たないかもしれませんが、ここまでしてもらったので、努力してみますよ」
「そうか!もし、成功したなら、映画のエンドロールに君らの名前を入れることを約束しよう!」

 文化祭の映画のエンドロールなんて、誰も注視しないと思うが、名前が残るのはいいじゃないか。えるも喜
ぶだろうしさ。俺たちは、資料とディスクを持って部室に戻った。




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