過去ログ - 氷菓に不満があったのでSSを作ってみた。
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/05/24(木) 23:03:47.59 ID:KdslAUbA0
「さて、提案なんだが、資料も多いし、もう、下校時刻だ。いったん帰宅して夕飯後、この案件を持ち込んだ、
えるの屋敷で検討会をしないか?」
「わたしの家なら、大丈夫です。親は旅行中なので気兼ねなくできますよ?」
「さっきのビデオのことですっかり気になってることだし、僕は付き合うよ。摩耶花は?」
「えっ?!あたしは、興味ないけど、里志が行くなら」
「では、みなさんをお待ちしております」

 そんなわけで、えるの屋敷にぼちぼちと集まってきた。ビデオを50インチはあろうかという液晶テレビに
映し、資料を検討しつつ、あーでもない、こーでもないと議論し、あとは翌朝、現場の廃村に向かおうという
ことになったが、日付が変わるような時刻になってしまったので、それぞれ、部屋に別れて寝た。

 翌朝、目覚めると。何かいい匂いがするのでそっちに歩いて行くと、台所にたどり着き、
「おはようございます、奉太郎さん」
「ああ、おはよう。おにぎり作ってるのか?」
「ええ。今日は撮影現場に行くんですよね」
「そういえば、そうだな…。」
「あ、おにぎりだ!おはよう」
「ふわー、えるちゃんは、朝早いわね」

 みんな起きてきたので、朝食となった。味海苔で巻かれたおにぎりは、見た目が変だが大変うまい。

「おにぎりがヤケにうまいな」
「うちで収穫された新米を使ってますから。お口に合ったようで良かった」
「そうか、米の味が違うんだね」
 里志も納得だ。それぞれ、朝食を食べ終えて、支度をしてから出かけた。

 バス停までの間に飲み物を補充し、バスに乗った。うつらうつらしながら終点まで行き、そこから
1時間ほど歩くと廃村に着いた。すっかり日が高い、というかもうお昼だ。

「まだ、何にもしてないけど、昼飯にするか」
「そうですね。それにしても昼間なのに寒々しい風景です」
「鉱山としては、まだ細々とやってるらしいよ。今は夏休みだから誰も居ないだろうけど」
 早速、下調べしてきた里志が知識をひけらかす。

「その辺のベンチに座って、食べましょうよ」
 おにぎり、鶏の唐翌揚げ、たくあんというようなセットでえるから配られ、夏の日差しで唐翌揚げが
いい具合に温まって大変うまい。程なく食べ終えたので、撮影場所の劇場に向かう。

 10分ほど歩くとその劇場が見えてきた。外壁が相当痛んでいるようだが雨風が入り放題になる
ほどじゃないようだ。周囲は夏草がみっしり生えていて鎌を持ってこないと入れないと警告された
通りだ。俺と里志は劇場には入れるだけのスペースを空けるため、鎌を持って草刈りだ。

 いい汗をかいた頃、薄暗い劇場内に入ることが出来た。

「これは、倉庫として使われているのか?」
「ああ、本来ならホール周囲は、ぐるっと開いている筈なのに左側が資材等で入れなくなってるね」
「事務室に合い鍵があったわ」
「お、気が利くな、摩耶花は」
「えるが居ないぞ?あ、勝手にホールに向かってる」

 慌てて俺たちはライトを片手に、えるを追いかけた。



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