過去ログ - 氷菓に不満があったのでSSを作ってみた。
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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/05/24(木) 23:05:02.50 ID:KdslAUbA0
「それで、事故の場合、身体能力の高い先輩がスゴいスピードでロープにつかまりながら舞台から助走し、
積んであるサッシに激突、割れたガラスで腕が切り落とされ、衝撃で首でも折ったのか、それで死んだ
場合と殺害の場合、誰かが殺害を計画し、当たりやすいようにサッシ等を積み上げ、ロープの長さ等を
調整して、海藤先輩をそそのかし、右奥の扉から逃走した、とすると大ざっぱだけどつじつまが合う」

「でも、なんでそうなったのでしょうか?」
 えるがもっともな疑問を挟む。

「おおかた、撮影現場でロープ遊びが止まらなくなり、これで行こうぜ!とかなって別の目的でロープ
を使おうと思った脚本の本郷さんが呆れたとかじゃないか?」
 里志が撮影現場を見てきたように推測した。

「いかにもあり得そうねえ。どの時点でそうなったかは、判らないけど、腕がもげるトリックのために
ロープが使われる筈だったのかもしれないわ」
 摩耶花があきれ顔で意見を言った。

「入須先輩の依頼は、あの中途半端なところで頓挫したミステリー?を何とかして欲しいということだ
ったので、ロープの本来の使用目的は解決しなくていいんじゃないか?」
「うん、きっと脚本の本郷さんもこれでいいと言ってくれると思います。大丈夫…な、筈です」
 えるは、なんで脚本担当の名前をここで言うのだろうか。
「入須先輩じゃ無くて?まあ、いいや。えるがそう言うなら、これをまとめて提出しよう」

 そんな感じで、あとはこのいい具合に廃れた劇場の雰囲気で何とかなるだろうさ、と俺らは廃村を出
て、バスに揺られて今日は、解散となった。

 翌日、昨日のことをまとめたレポートを入須先輩に読んでもらったら、大変喜んでくれて、これなら
まだ間に合うと礼を述べて、クラスに戻っていった。

 俺としては、文集の編集に戻りつつ、省エネな生活に戻ってきたのでほっとした。

 入須先輩のクラスのビデオは、後日完成し、古典部にディスクが届けられたので再生してみた。
 あの中断した部分から解決編に入り、再現映像で海藤先輩が奇声を上げながら、豪快にロープに飛び
つき、見ている人が心配になるくらい激しくアルミサッシにアタックするところが爆笑だった。
 エンドロールに Thanks として古典部一同の名前が載っていたので、俺は満足した。


 そして、インターネットでは秘密裏に、
"ホント、感謝します。あなたたちのおかげで何食わぬ顔で学校に出られるようになったわ"
"いえいえ、楽しかったですよ。検索してたら、偶然、先輩のつぶやきを見て、興味が出ただけですし"
"あのロープ、結構予算を食っていたので、どうしても使わないと行けなかったから。それも生かして
くれたし"
"そこは、彼に気づいてくれるよう、あれこれしちゃいました"
"クラスの馬鹿共が暴走しなければ、あたしが引きこもりになることも無かったのに…あ、これはあなた
には関係ないわね"
"ともあれ、今度、あなたたちに何かあったら協力するから。今回は本当にありがとう。でわ"
"はい、先輩。では、ごきげんよう"
 えるの好奇心から始まった事件は、これで終了した。
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書きためた分は、以上で終了です。


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