過去ログ - 亜美「亜美が、ずっと兄ちゃんのそばにいてあげるよー!」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/08/10(金) 16:03:43.27 ID:KSLXr0yA0
エンターキーを気持ち大げさに押して、この書類は完成。
今日の仕事のノルマも達成だ。やったぜ俺。

首を回すと骨がバキバキと音を立てる。最近肩と首のダメージが激しい。
ふと首ポキはマジヤバイマジ危険という噂が存在するのを思い出し、俺はすぐに首を回すのを止めた。

大きく伸びをしてから、チラリと向こう側を見る。

我が765プロ所属アイドルである女の子達が作る集団の中に、男が一人。

アイツは765プロの三人目のプロデューサー。
俺の後輩にあたる男だ。

ヤツは現在見ての通りのハーレム状態の主。

オマケにそのハーレム人員はアイドルときてやがる。
これほどの贅沢がこの世に存在するのだろうか。

あのアイドル達のファンにこの現実を知らせてやろうか。間違いなく即座にアイツは抹殺されるだろう。
ところが俺はあまりバイオレンスなものはNGなので、ここは勘弁してやることにする。

それにしても、この差は一体なんなんだ。
俺だってプロデューサーなのに……。アイドル達との付き合いもアイツより一年以上は長いのに……。

いいや。コーヒーでも飲もう。

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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/08/10(金) 16:04:21.04 ID:KSLXr0yA0
淹れたてのコーヒー。
それが入ったコップを置き、暫く冷ましてからゆっくりと飲むのが俺流だ。
猫舌の俺が出来立てのコーヒーなんかすすったらもんどりうっちゃうから。

早く冷めろと念を込めながらカップを手で仰いでやる。もちろん何の効果も期待できないけど。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/08/10(金) 16:05:29.92 ID:KSLXr0yA0
一応俺とアイドル達の名誉の為に弁明しておく。

別にアイドル達が俺の事を無視したりしている訳じゃない。
あの子達はそれぞれ皆個性的だけど、そんなことするようなつまらん人間じゃない。
仕事に対しても二人三脚。移動中にはアイドルの子をくだらない話をできるくらいには打ち解けている。
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/08/10(金) 16:06:41.17 ID:KSLXr0yA0
亜美「あっ、兄ちゃん。ここにいたの」

そろそろオッケーかなと俺がコーヒーカップを手にとったちょうどその時だった。
この事務所唯一の例外のご登場だ。

以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/08/10(金) 16:08:39.84 ID:KSLXr0yA0
P「……で、亜美はホントにどうしたんだ?あっち行かなくていいのか?亜美、楽しいの好きだろ」

亜美「う〜ん……。なんていうか……。なんとも言えないんだけど……。あっちの兄ちゃんの近くにいると、
皆いつもよりも明るいんだけど、どことな〜くピリピリもしてる気がするんだよね〜」

以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/08/10(金) 16:09:20.68 ID:KSLXr0yA0
P「さってと……。そろそろ仕事に戻るかなー」

亜美「あ……まだお仕事終わってなかったんだね」

P「いや今日のノルマは終わったんさ。後はまあ時間もあるし。ちょいちょいと」
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/08/10(金) 16:10:23.11 ID:KSLXr0yA0
元気良く飛び出していく亜美を見送ってから、手元のコーヒーをくいっとあおる。

うーん……。ちょっと亜美と長く話しすぎたかな。
冷めすぎた。微妙にぬるい。失敗した。

以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/08/10(金) 16:11:09.80 ID:KSLXr0yA0
美希「ハニー!今度のオフ、ミキと一緒に映画行こーよ!」

後輩P「おいおい……。美希はオフでも、俺は仕事があるんだよ」

美希「むぅー……。なら律子に任せればいいの」
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/08/10(金) 16:12:11.83 ID:KSLXr0yA0
アイツが来る前まではこんな痛い程の疎外感なんか感じたこと無かった。
毎日の仕事は忙しかったけれど楽しかった。
まあ、現状つまらないっつったらそれはそれで言い過ぎなんだけども。

アイツは……。
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/08/10(金) 16:14:04.66 ID:KSLXr0yA0
ブツブツと頭の中で愚痴をぶちまけていたおかげで、亜美が待つ部屋へ行くのに予想外の時間がかかった。
よっぽど俺はダラダラと歩いていたんだろう。

ソファに座ってゲーム機を操作していた亜美は、俺の姿を見つけるとぶーっと口を尖らせてみせる。

以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/08/10(金) 16:15:39.85 ID:KSLXr0yA0
亜美「兄ちゃん兄ちゃん!そっち行ったよ!」

P「任しとけっ」

ゲーム画面では巨大なドラゴンが俺のキャラクターに向かってちょうど突進してきている所だった。
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/08/10(金) 16:17:59.06 ID:KSLXr0yA0
無言の部屋に、俺と亜美のゲーム機から流れる戦闘BGMとボタン音が響く。

ちらりと亜美の様子を見る。それはそれは真剣そのものだ。食い入るように画面を見ている。

俺も、このモンスターには気を抜くことは許されない。
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/08/10(金) 16:20:09.28 ID:KSLXr0yA0
離れた亜美は俺の顔を見るなり、

亜美「むふふー。兄ちゃん顔赤いよー?亜美のセクシーボデーに悩殺されちゃった?」

などとのたまうので。
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/08/10(金) 16:20:11.11 ID:Qg/nfPX3o
いいね


15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/08/10(金) 16:24:09.75 ID:R9MDWAnDO
目欄に saga で>>8のピーみたいなフィルター回避できるからどうぞ
sage saga ならsageもできるからオススメ。


16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/08/10(金) 16:24:53.57 ID:KSLXr0yA0
亜美「おおっと失礼。ウチの子の充電がそろそろレッドゾーン突入のようだ……。
   すぐに充電器を取ってくる……。暫し待たれよ……」

P「おkおk」

以下略



17:ありがとう。さっそくやってみました[sage saga]
2012/08/10(金) 16:27:46.51 ID:KSLXr0yA0
亜美は……元気だなあ。本当に元気だ。

今の765プロ内で、俺に対して最も好意的に接してくれるのが亜美。
それはもちろん、亜美にとっての俺が特別って訳じゃあなくて。

以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/08/10(金) 16:29:30.71 ID:KSLXr0yA0
亜美「おっ待たせー!いやぁ。この充電器のヤツ、恥ずかしがって中々姿を見せなくって……」

モヤモヤと考えていると、亜美がいつもの様に元気良く帰還してくる。
……が、すぐにその表情を曇らせた。

以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/08/10(金) 16:31:45.20 ID:KSLXr0yA0
亜美「兄ちゃんホントにどうしたの?大丈夫?亜美、何かしちゃった?」

P「な、なんでも無いよ。ホントに」

亜美「なんでも無くないよ。兄ちゃんの顔見れば亜美だってすぐに分かるよ。……兄ちゃん。なんかあったの?」
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/08/10(金) 16:34:35.87 ID:KSLXr0yA0
思いもよらなかった亜美の優しさに、俺の涙腺は完全崩壊を起こした。
気づけば、無表情のままバカみたいにぼろぼろ涙を流してた。

亜美「兄……ちゃん?」

以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/08/10(金) 16:40:00.18 ID:KSLXr0yA0
涙の発作が収まって、俺は顔を上げて腫らした目で亜美を見た。
亜美は何も言わずに、俺の隣に腰掛けてくる。

ぽつりぽつりと、俺は気づけば心の中まで亜美に預けようとしていた。
中学生の女の子に。大の大人が。
以下略



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