過去ログ - 【聖杯戦争】やる夫はステゴロワイヤーアクションで戦うようです
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◆ylCNb/NVSE
2012/08/30(木) 18:36:38.25 ID:K8r29XpB0
この折を見計らって、給仕らしい若い軍人が紅茶を運んで入室した。
大佐は毒見役を給仕に命じると、若い軍人が口を運んだ器に、そのまま自分も口をつけた。
好色な眼差しを感じた若い軍人は立ち去るように部屋を辞すと、大佐は
意味ありげな笑いをドアの向こう側に送った。
では、ビップといったか。聖杯戦争に参加する資格すらない貴様に、俺が
聖杯戦争がどういったものであるかを講じてやらんでもない。と大佐は切り出した。
もっとも貴様には我が帝国の勝利のために働いてもらうつもりでいる。
大佐は「令呪」を指でなぞりながら目線を一度、手の甲に移し、再びやらない夫に戻した。
「令呪」はどうやって得た。とやらない夫が臆せず詰め寄ると大佐は
これは聖杯が自分を求め、競うに相応しい人間にもたらす物。
これを得られぬ貴様には、そもそもこの競い合いに加わる資格はないのだ。と冷笑した。
道理を履き違えるなよ、ビップ。大佐はおもむろに立ち上がると威圧するように
まず私の背後に立ち、選択の余地はないのだ。と囁いた。
次に真紅嬢の背後に回ると髪を遊ばせ、貴様らは俺に従わなければ、
この日本から生きて出ることすらできぬと、それすら思いもつかぬ愚物のようだな。と言い放った。
外交問題になるのだわ!と真紅嬢は髪を遊ぶ大佐の手を払って怒号した。
我が大日本帝国はアメリカなど恐れぬ。と大佐は真紅嬢に言い返しながら立ち位置を変え、
窓際に寄りかかってやらない夫を見下ろすようにしばらくうち黙った。
そして、なあ、やらない夫。意地を張る時を謝れば、失うものは多いぞ。と脅しをかけた。
聖人にあらねば、清貧に甘んじる理由もなかろう?報酬が欲しければくれてやろう。
望むならば言って聞こえさせよ。何せ、我が国は万能の願望機を手に入れるのだ。
分かち合うことも考えるさ。
大佐はひるがえって温厚な様子で語りつつ、自分の椅子に戻る。
しかし、椅子は情けなく倒れ、大佐はボロの上に崩れ去った。
あんた、魔術師じゃないだろ。とやらない夫は口の端を持ち上げた。
真紅嬢も吹き出して笑い、大佐は自分が仰向けに倒れている理由を悟った。
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