過去ログ - 【聖杯戦争】やる夫はステゴロワイヤーアクションで戦うようです
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4: ◆ylCNb/NVSE
2012/08/29(水) 00:57:17.37 ID:I1Z6pX9g0

 私は人目を避ける術の助けを借り、市警の死体安置所に滑り込んだ。
革包から取り出した青紫の小瓶に溜め込んだ粉を手のひらに乗せたハンカチに広げる。

 ポーカス・ホーカスと唱えて吸い込まないように吹きかけると、私の求める死体を示した。

 死体の前に立ち、私はしるべの役目を果たす褐色の光を生じた粉に、再び呪文を唱えて瓶に戻す。
諸兄に断りを入れることが許されるならば、これは吝嗇のためでなく、証拠の抹消のためなり。

 次にポーカス・ホーカスと唱えて死体が最後に見た光景を、死体自身の瞳より取り出す術を試した。
死体の目が開かれ、つぶさに最後の光景が映し出される。男はあたりの女を物色しているようで、
いそがしく風景が乱れていたが、何かの姿を認めて、はたと向きを変えて走り出したらしい。

 続く瞬間に男の視線は地に落ち、次第に明るさを失った。

 私は男が最後に何を見て逃げ出したのか知りたかったが、人ごみに紛れ
男の首を切り落とした犯人の姿を見つけることはできなかった。

 だが、男は自分の首がなぜ狙われ、どのように落とされるのか、知っていたようだ。
つまり宙を舞う魔剣とその使い手を、だ。

 東洋の伝承に示された武器か、それに準ずる現象を引き起こす術を使う魔術師と見た私は
その夜は満足して、自宅に戻った。



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