18: ◆Oe72InN3/k
2012/09/06(木) 21:45:30.82 ID:mVZBQuHy0
える「二人乗りですね! 少し、やってみたかったんです」
奉太郎(なんにでも好奇心があるのか、こいつは)
千反田を後ろに乗せ、家に向かう。
道中は特にこれと言って、会話という会話は無かった気がする。
気がする、というのも変な言い方だが、俺もどうやら緊張していた様だ。
覚えていないのは、仕方ない。
楽しい時間はすぐに過ぎる……等言ったが、あの言葉は概ね正しいのかもしれない。
千反田の家には、思いのほか早く着いた。
える「折木さん、ありがとうございました」
奉太郎「いや、こっちこそ、お守りありがとな」
千反田は優しそうに笑うと「では、また明日」と言い、家の中に入っていった。
俺はそのまま、まっすぐ家に帰るつもり……だったのだが、どうにも気分が乗らず公園に寄る。
この公園というのも、神山市では随分と高い位置に設置されており、景色は結構な物だ。
滑り台に座り溜息を付くと、神山市の夜景を眺めた。
先ほど家で見た「移り変わる景色」程では無いが、中々に美しかった。
俺は、何故か心に少し残るモヤモヤを洗い流せないかとここに来たのだが……どうやら数十分経っても、消えそうには無かった。
第一話
おわり
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