17: ◆Oe72InN3/k
2012/09/06(木) 21:44:54.72 ID:mVZBQuHy0
奉太郎「……そうか、ありがとうな」
える「いえ、本当は金曜日に渡せればよかったんですが」
える「ご利益があるお守りも、手に入れるのは難しいんですよ」
奉太郎「すまないな、わざわざ」
える「気にしないでください、私が急に押しかけた様な物ですから」
全く、なんだと思えばお守り一個とは。
まあ、嬉しくないと言えば嘘になる。
える「では、私はこれで帰りますね、また明日、お会いしましょう」
と言い、千反田は再び歩き出そうとする。
奉太郎(これは俺のモットーには反しない……やらなくてはいけない事、だ)
奉太郎「千反田」
後ろ姿に声を掛けると、すぐに千反田は振り返った。
奉太郎「その、送って行く、家まで」
千反田から見たら、俺は随分と変な顔になっていただろう、多分。
える「え、悪いですよ、そんな」
奉太郎「今から歩いて帰ったら大分遅い時間になるだろ、危ないしな」
頭をボリボリと掻きながら、そう告げる。
千反田は少し考えると、笑顔になり、答えた。
える「……では、お願いします」
奉太郎「……ああ」
さすがに、歩いて行くのは遠すぎる。
そう思い、自転車を出し、千反田に後ろに乗るように促した。
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