17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/20(水) 00:13:54.37 ID:23PR5ugqo
そんなある日、再び声が聞こえた。
『思っていたよりうまく行ってるよね。よかったね』
『うん・・・・・・』
『何か不安そうだね。博人も頑張って家にいるようにしてくれてるし、これでもまだ何か
気になるの?』
『言葉に出しては言いづらいし、自分でもよくわからない漠然とした不安なんだけどね』
『博人がまだ怜菜のこと引き摺っているんじゃないか不安なの?』
『ううん。それはもうないと思う。確かに亡くなった人には勝てないし、博人君だっても
う怜菜を嫌いになることは永遠にないんだけどね。でも亡くなった人相手に嫉妬してもし
ようがないよ。むしろ怜菜の娘をあたしが一生懸命に育てることが、博人君を繋ぎとめる
唯一の方法だと思っているよ』
『・・・・・・なんだ。わかってるんじゃない。それなのにまだ不安を感じてるんだ』
『博人君がいないときだけなんだけどね』
『もう考えても仕方のないことで悩むのはやめにしたら?』
『わかってるよ。でも考えちゃうんだもん。しかたないじゃん』
『・・・・・・』
声は沈黙してしまった。
『あんたはあたしなんでしょ? 今まで散々ああしろこうしろって指示してきたくせに。
こんなときに黙ってないで何か言いなさいよ』
『聞くと後悔するかもよ。知らないでいたほうが幸せなこともあるしさ』
『あたし自身のくせに何を思わせぶりなこと言ってるのよ』
『まあ、結局君の意思しだいなんだけどね。わたしは君には逆らえないし、君が知りたい
と言うなら話すしかないんだけど』
『じゃあ、話してよ。何でうまくいっているはずなのにあたしが不安を感じるのか』
『本当に話していいの? 後悔するかもよ』
『それでも知りたい。自分のこの不安の正体を』
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