12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/25(月) 22:01:40.26 ID:d5tGG4Gs0
「こ、これ…」
「ここは…ダメ」
「はやく、もどり…ましょう」
こちらへ来て、俺の袖を引っ張る。
何かを目で訴える。ここは居るべきじゃないのか?
霊媒師もこの寒さで汗をかいていた。
な、何かいるんですか?ほら、カメラ向けて。
そう言ってカメラを向けさせる番組プロデューサー。
傍らには俺の袖を引っ張り続ける小梅。本当にまずいみたいだ。
『で、出ましょう』
ええ、ここは、私の手には。霊媒師も同意してくれた。
放送室のドアを開けて俺たち3人は廊下へ出る。
残りのスタッフさんは何かを収めようと躍起になっていた。
「は、離れて…」
小梅のか細い、けれど意思のこもった声は届かない。
出なさい、という霊媒師の声も聞き入れては貰えない。
誰も答えない静寂の代わりに、マイクの電源が入る音がした。
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