過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part3
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◆3Y/5nAqmZM
[saga sage]
2013/07/01(月) 17:45:44.17 ID:uTDf1N9Ro
「・・・・・・ふむ」
資料には、『秘宝』とはこういったものである、こんな力を持っている、といった直接の記述は少ない。
その代わり、『秘宝』を手に妖精の国を興したという初代の妖精王について、並びに建国の経緯について詳しいの資料が見つかったのは幸いだった。
それによると、妖精族とは、かつて魔界を離れた魔族たちが、より魔法・魔術に長けた形で性質を変えた存在なのだという。
別の種との戦争が起こった際、争うことをよしとしない魔族の集団が時空を越え、新たな世界で国を造り上げた。
(・・・その建国の英雄、初代の妖精王が手にし、国の礎を作り上げるために使用したマジックアイテムこそが『妖精の秘宝』、というわけですね)
『秘宝』の力を引き出すことができたのは初代の王のみであり、現在では式典や祭典において儀礼用に扱われるのみであるらしいが、さぞや強大な力を持っていたのだろう。
それが持ち去られ、野放しになっている状況というのは、改めて考えると非常に危険だ。
(これだけの情報があれば、少しくらいは何かわかるかもしれません)
都は、白紙の本を手に取り、『見通す者の目』を行使せんと意識を集中する。
「・・・あ、れ」
しかし、本を開くと同時に身体から力が抜け、ぐらり、と倒れ込んでしまった。
「み、都さん!?大丈夫―――」
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