過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』
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6: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2013/07/13(土) 02:04:59.92 ID:G632siqIo

ミュウツー(飛び立ってから考えるのも我ながら無計画甚しいが)

ミュウツー(向こう側の陸地に着くまで、体力が保つだろうか)


空が白みかけてきたその頃、限界が訪れた。

ガクリとスピードが落ち、コースの維持が難しくなった。

身体に力が入らない。

それも致し方ない。


餌の見つけ方など知らなかった。

洞窟にいた他のポケモンたちを『食べていい』ものなのかどうかすら、わからない。

分厚い強化ガラスの筒の中では、考えたこともなかった。

もっとも、そんなことを考える必要もなかったのだが。

しかし人間の手と目を逃れ、ハナダの洞窟に行き着いたことで、そういうわけにもいかなくなった。

ミュウツーは気分が悪くなるほどの『空腹』を、そこで生まれて初めて感じたのだった。


他のポケモンがそうするのを見て、ミュウツーは壁の苔を毟って齧った。

そして吐いた。

味の善し悪しなどわからなかった。

だが今齧った苔が決して美味いものではないこと、身体が拒絶反応を示していることは理解できた。

それでも、もう一口齧る。

さっきよりは少し、抵抗がない。

これなら、大丈夫かもしれない。

遠巻きに見るポケモンたちは嫌そうな顔をした。

だが睨みつけると、諦めたように去っていった。

何度か苔を齧っていると、少しだけ空腹が紛れた。

おかげで死ぬことはなかったが、まともな健康状態とは決して言えなかった。




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