過去ログ - 千秋「隠し味には、ありのままを」
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11:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/14(金) 22:33:21.31 ID:UFBD+olCo


 全て味わって、美味しかった、と千秋に感想を伝えると、彼女は三度、黒髪を揺らして微笑んだ。
「……はい、これでおしまい。じゃあ、また明日。事務所で会いましょう?」
「ああ、明日は午前十時からだな」

 立ち上がって椅子をしまい、千秋は荷物を置いていたソファに取りに行く。
 それを眺めながら、俺は机の上を片付け始めた。

 あれだけあったチョコレートも、もはや箱だけである。
 かさばらないように畳める分は畳んで袋に入れた。

 準備には時間がかかるものだと思いがちだが、千秋はこの寒い中どうやら軽装でここまで来たらしく、瞬く間に帰宅の準備が完成していた。

「送ろうか?」
「いいえ、大丈夫よ。久しぶりに雪が見たいの」

 見慣れているとはいえ、東京でここまで積もりそうな雪を目の前にして、何やら郷愁の念が浮かんできたのだろうか。

 俺の誘いを断った彼女は、扉の前に向かうと不意に踵を返した。





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