過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』 第二幕
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6: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2014/09/24(水) 22:55:23.06 ID:5XhV8xEEo

いい加減にしてくれ、と心の中で毒突く。

いい加減にしよう、と頭を切り替えるべく努力する。

自分ひとりがこうして悩んだところで、どうしようもない。



あるいは、人間とポケモンが一切の関わりを捨ててしまえば。

そうすれば、こんな悩みも、可哀想なコマタナも生まれずにすむのかもしれない。



不意に、背中合わせに設置されたベンチの向こう側に、人の気配が降ってきた。


??「……きっと みつかるもん」


降ってきた“気配”の主は、消え入りそうな声でそう言った。

レンジャーは思わずベンチに預けた頭を捻って、気配の主にそれとなく目を向ける。


少年が俯いて座っているのが、かろうじて視界の隅に見えた。

背中を丸めているせいで、少年の顔はよく見えない。

だが落ち込んでいるらしいことは、声の調子や背中から十分以上に感じられた。

かばんか何かを抱えているのはわかるが、それが何なのかまでは視認できない。


一方、隣に座る大人はどうも母親らしい。

体が傾いているところを見ると、肘掛けに腕を載せて頬杖をついているようだ。


母親「あんまり期待しない方がいいわよ」


母親らしき女性は、あまり興味のなさそうな声で、溜息混じりに返事をする。

レンジャーは、なんとなくその会話に耳を傾けた。

あまり褒められた行為ではなかったが、手持ち無沙汰であることもまた事実だった。


少年「いるもん」


わずかに、少年の語気が強くなった。


少年「ぜったい、もりに いるもん」

母親「……あれだけ毎日、勉強もしないで探してたのに、見つからなかったじゃない」




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