過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』 第二幕
1- 20
7: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2014/09/24(水) 22:56:09.22 ID:5XhV8xEEo

母親の声は、対照的なまでに冷めている。

単に興味がないというよりも、むしろあまり快く思っていない。

『勉強もしないで』というフレーズに滲む苛立ち。

そこから、母親の関心がどこにあるのかは明白だった。


少年「……もりの、もっとおくのほうに いったら、いたかもしれないのに」

母親「言ったでしょ」

母親「ポケモンも持ってないのに、そんな奥まで行くなんて、許すわけないじゃない」

少年「おとうさんも そういってた」

少年「でも、おとうさんは てつだって くれなかったじゃないか」

少年「おやすみのひ も、つかれてるから いやだ、って」

母親「お父さんが仕事で忙しいのは、知ってるでしょ」

母親「わがままばっかり言わないの」


細かい経緯はわからない。

だがどうやら、この少年は何かを、いや『誰か』を探している。

その探している『誰か』とは、おそらく少年のポケモンだろう。

どこか、ヤグルマの森近辺で“はぐれて”しまった、ということなのだろうか。


レンジャー(そんな報告があったら、私たちに連絡が来ないはずないんだけど)

レンジャー(あれ? でも今、その話をしてるってことは……まだ何も申請してないってことか)


そして残念なことに、両親は捜索に協力的とは言いがたい。


母親「もう、野性化しちゃってるんじゃないの」


くたびれた調子で母親が言う。

面倒くさいと思っていることを、隠そうともしない。

盗み聞きするレンジャーは、少年に同情を禁じ得なかった。


少年「でもね、おかあさん」


少年が思いがけず低い声を出した。


少年「ぼく、このあいだ テレビで みたんだ」




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
434Res/424.60 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice